お車を乗られていて、バンパーをぶつけてしまったことはありますか。
長年お車を乗っていればどんだけ上手い運転手でも一度はあるのではないかと思うのです。
意外と脆いバンパーの修理方法や交換のやり方はどのようになっているのかをここでは一緒に見ていきましょう。
1.車のバンパーの役割とは?割れたままだとどうなる?
車のボディーはいくつかの部位に分かれていて、バンパーとは車の前部分、後ろ部分の下側にある箇所のことを指します。
昔はバンパーというと鉄でできていることが普通だったみたいですが、最近では逆に鉄でできたバンパーを探すことの方が大変です。
と言いますか、未だかつて車屋で勤めていて鉄製のバンパーを生で見たことはないです。
現在の主流は今のところ圧倒的に樹脂でできたタイプが多いです。
近年発表されたお車では樹脂製のバンパーだけでなく、バックドアも樹脂のものまで出てきているので驚きではあります。
そのバンパーの役割ですが、何のために存在しているのかというと、ぶつかったときの衝撃を吸収するためです。
人間が運転するものなので、エラーが発生することを見越してお車は設計されます。
よくスローモーションで事故を想定した実験をやっていますが、あれは実際に各社メーカーが一台の車を犠牲にして行われています。
当然コストも非常にかかるので何度もできるわけではないため、検証に検証を重ねて設計の最終段階で衝突実験をしているわけです。
その衝突をした際に、それが対人間であれ、対モノであれ、車側のものがあまりにも固いものだと衝撃はダイレクトに伝わってしまいます。
それを緩和するためにバンパーは曲がりやすい樹脂製にしているのです。
もっと言えばボンネット周りの金属も非常に柔らかく、骨格を除けばできる限り衝撃を逃がしてくれるような設計になっています。
そのバンパーの役割を理解した上で割れたままであればどうなるかはご想像いただけると思います。
少しの亀裂や破損であれば良いのですが、すでに大きく割れてしまっている場合はそれ自体がぶつかってしまった際に危害を加える危険性があります。
また多少なりとも衝撃を吸収してくれる役割も変な力が加わることで悪い方向に進んでしまうこともあるかもしれません。
バンパーが樹脂でできたただの飾りという認識で割れたまましておくと思わぬ事態になってしまうこともあるでしょう。
ちなみに車検では規定の寸法がその車ごとに登録されており、そこから少しでもはみ出た場合は車検が通りません。
樹脂でできたバンパー、フェンダーが寸法がはみ出ることで引っかかる車は車検場に行くと結構見ます。
2.割れた車のバンパーの応急処置の方法とは?
お車のバンパーが割れてしまった場合など、治すまでの応急処置などはあるのでしょうか。
実際バンパーを地面からの突起物やブロックなどで引っ掛けて破損をすると大きく曲がったり切れてしまうことが多々あります。
その時にタイヤに干渉をして走行できなくなるようなこともあります。
ひとまずタイヤがしっかり回転できるようにバンパーを元の位置に戻してみましょう。
工具などがあれば当然その工具を使って位置を移動することが望ましいですが、突然のことであれば工具が必ずしもあるわけではありませんよね。
軍手などだけでも結構ですのではめて人力の手で元に戻るかどうか試してみましょう。
バンパーが切れて曲がっている場合は特に素手で作業を行うと手が切れてしまう可能性もあるので、必ず手袋だけでもはめてください。
樹脂とはいえ案外簡単に深手を追うような怪我に繋がってしまいます。
とりあえず元の位置に戻すことができたならそのままとりあえず板金工場などに向けて走ることは可能です。
応急的に走行をするのだとしてすぐに工場に入庫しましょう。
3.車のバンパーの修理費用や期間はどれくらい?
実際に工場まで無事だどりついたらバンパーの修理をすることになります。
一体修理はどのくらいの費用がかかって、どのくらいの期間で仕上がるのでしょうか。
結論から言うと修理費用は5~10万円、修理期間は1週間以内に仕上がるでしょう。
道路に走っていて明らかにぶつけた後がわかるような修理をするようなところはきっと安いのだと思います。
修理をしたのかどうかもわからないような高い技術力があるところはやはり時間をかける分料金が高くなってしまいます。
また、お車によっては塗装が複雑な場合があり、ソリッドの色ではなくてパールが入っていて見る角度を変えると色が変わるようなものは塗装に費用がかかってしまうでしょう。
期間にすると数日のところもあるかとは思いますが、安全をみて1週間くらいは覚悟をする方が良いと思います。
バンパーの取り付け、取り外し自体は構造を理解していればクリップと多少のネジで止まっているだけのものがほとんどです。
慣れた方であればすぐに終わります。
しかし塗装は一切の埃やチリが許されません。
塗装の中に埃が入ってしまうと後から取り出すことができないからです。
何も埃が舞わないような空間で綺麗に塗装をし、乾燥をさせるまでには結構な時間がかかってしまうものなのです。
4.車のバンパーの交換する場合の費用と日数はどれくらい?
では、車のバンパーの損傷が激しく、ある程度の金額がかかってしまうようであれば交換ということも考えた方が良いでしょう。
バンパーの交換にかかる費用ですが、軽自動車の小さいものから大きい車のバンパーなど、種類によって費用は違ってきます。
ただ20万円を超えることはないのかなというイメージであれば良いのかなとは思います。
また、色がついたバンパーの在庫がありさえすれば1~3日です。
これは修理よりも時間がかからず、取り外して取り付けるだけだからです。
在庫がない場合は取り寄せに時間がかかるので1週間以上かかるケースもあります。
交換ということであれば新車時についているバンパーをそのままメーカーから取り寄せるため、基本的には完璧に近い状態できます。
ただ注意が必要で、お車は長く乗っているとどうしても日焼けをしてしまいます。
交換するバンパーは新品であるのですが、それ以外の部分が日焼けをしてしまっていると色にムラができてしまいます。
シルバーのようなあまり色の違いがわからないものであれば良いのですが、赤色など色が強めの色は日焼けしているところとそうでないところは素人の方でもわかってしまうかもしれません。
その点、交換ではなく修理ということであれば日焼けした色味まで加味して色作りをしれくれるところもあるので相談をしても良いでしょう。
ちなみに塗装をしていない新品のバンパーに日焼けを加味して塗装をしてくれるところも探せばあるとは思います。
5.車のバンパーを修理や交換したとき修理歴は残るの?
お車のバンパーを修理した場合、下取りなどに出した場合は修理歴などになるのでしょうか。
結論から言うと、綺麗にわからないように修理されていれば減点対象にはなりません。
査定を普段から行なっている査定士であればバンパーが交換しているのかしていないのかはすぐにわかります。
上述の通り色味がどうしても違いますし、ネジやクリップの取り外し痕、また完璧にはできない塗装の様子でわかってしまうのです。
斜めから見て反射の様子を見たり、あるいは非常に細かい埃などが入っていないかまで注意深く観察します。
これはバンパーの修理歴を見るためではなく、修理をしていることでさらにもっと車の内部まで修復している修復歴(事故)車かどうかを見抜くためです。
ちなみにバンパーの修理をした後に傷やへこみがあれば、当然減点対象になることは言うまでもありません。
綺麗に治った後に改めて傷、へこみの程度を見て査定額から減額されていくでしょう。